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開発許認可

リゾート施設の多くは、自然のなかに建設するため、傾斜地等の土地を整地して建物を建設する必要があるが、土地形状を変更することを『開発行為』という。
これは、『主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更』、という規定。
逆説的には(実際には困難であるが)、傾斜地であっても施設設計で工夫し、土地形状通りに建設すれば、開発行為には該当しない、ともいえる。

この開発行為を実行するために必要なことが『開発許認可』の取得。
規定する根拠法は『都市計画法』、所管は国交省。
具体的な条文は第29条、ここで規定する『開発許認可』の申請となる。
許可権者は都道府県知事、政令指定都市・中核市・特例市の場合は市長。
これらは規模で規定されており、市街化区域は1000平米以上、一部の区域では500平米以上、非線引き区域は3000平米以上の開発がその対象になる。
この規制は、都道府県によっても異なり、更に厳しく規制している地域もあるため、計画地を管轄する官庁での確認が必要。
加えて、同法第32条の規定がある。
道路、公園、下水道、緑地、広場、水路等の開発予定地に関係する諸施設(公共施設という)の管理者、具体的には市町村の関係部署の事前協議および承認を終えていることが必要、という規定。

都市計画法に規定する『開発許認可』の取得のみでは、造成工事着手・施設建設はできない。
計画地の状況によって関連する法律があり、これらをクリアする必要がある。
森林の場合は森林法、農地の場合は農地法、埋蔵文化財等を確認する必要のある文化財保護法、環境保護に関する諸法令(詳細な規定が市町村単位で制定されていることが多い)、自然公園法、等々があり、該当する法律を全て満たす必要がある。
特に、景勝地での開発、該当する法律は20種類以上になる。

開発行為には、以上の様に多岐にわたる許認可取得、協議等があるが、単に条文をクリアすれば良い、ということではない。
条文以外にも指導要領等の内規が多々あり、具体的な項目について、個々に担当部署と、事業性を考えながら協議する必要がある。
また、リゾート施設の場合、開発許認可取得は事業初期に取得するため、施設設計あるいは工事進行に伴い、許可内容に対する変更要請が発生することが多い。
開発許認可は、許可権者が事業者の事業計画を信頼し許可を出すという点がポイント。
少なくとも、開発行為完了、検査済証取得までは、所管する部署との継続した信頼関係が必要、といわれる所以であり、この信頼関係は一朝一夕にできるものでもない。