OE管理
OEは『 Operating Equipment 』の略、営業器具備品と訳され、主として料飲・宴会施設において、営業用に使用される、グラス・銀器・皿小鉢等の総称。
大型宴会施設を持つホテルは数量と種類、高級食堂を持つホテルは、種類もさることながら、個別単価が高い。
客室内の、湯飲み・グラス等も加わる。
これらのOEを管理する人を『スチュワード』という。
基本的な流れは次の通り。
食堂・バーでは、食器洗いから員数管理まで、季節ものは別に倉庫管理し、必要に応じて出庫する。
宴会では、前日に宴会で使用する什器類を宴会毎に用意、宴会厨房、宴会場へ出庫、終宴後、引き取り・洗い、倉庫へ収納する。
客室は、メイドが使用済みの湯飲みグラス類を所定の位置へ出すと、洗い・乾燥し、メイドへ戻す。
破損・紛失が発生した場合、『破損・紛失伝票( Loss & Breakage Report)』で処理、員数管理に備える。
紛失は、残飯と一緒に処理する、ナイフ・フォーク・スプーン等のシルバー類に多いため、残飯チェックも必要になる。
毎月1回、全セクションで、全品棚卸しを行う。
シルバー類は、メッキ等の定期的なメンテナンスも必要であり、これらの管理業務もある。
この業務は、独立組織として、ホテル内のOEを一括管理することが必要。
これを各厨房・バーに任せていると、破損・員数管理ができなくなることが多い。
昨今の人件費・経費削減の風潮のなか、運営要員が絞られており、破損、紛失の発生に対して『破損・紛失伝票』を起票できない、毎月の棚遅しができない、結果として破損・紛失の集計もできない、状態となる。
経費(器具備品費)も絞られており、数が不足すると、安価な品質の劣るものによる代替となる。
結果として、使用しているOEがちぐはぐになる。
仮に、この機能を、料飲規模等の関係で、独立組織としない場合、権限および知識のある適任者を兼務発令し、業務管理にあたらせる必要がある。
施設設計時にOE倉庫の規模および動線計画をおろそかにすると、運営効率の悪さ、管理がずさん、となる。
時として、スチュワード業務を、単なる食器洗い・管理、と見下す傾向がある。
しかしながら、ホテルで使用するOE、決して安価なものではない。
スチュワード業務を疎かにすると、料飲・宴会ヘビーの総合型ホテル、FBCの正しい運用同様、利益に大きく影響を与える重要な業務、と認識する必要がある。